第6号(2003-2004年度) 文責 バー・ボルドー

ごあいさつ

皆様、今年も残り少なくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。モンゴル・ブフ・クラブ通信が約2年ぶりに発行されることになりました。クラブの諸活動はホームページでは随時更新していますが、都合により、一部の会員にはなかなか情報が届かない時期があったと思います。不肖ボルドーの筆不精によるものであります。ここに皆様に深くお詫びしつつ、この二年間の活動報告をさせていただきます。独断でニュース・ベスト10を決定しました。

 皆様のお陰をもちまして、ここ二年間はクラブの活動が益々活発になり、メンバー間の友好関係がより深まったことは何よりも喜ばしいことだと思います。皆様に心よりお礼を申し上げます。来年もお互いに尊敬し合い、仲良く、楽しく交流を続けていきたいと思いますので、相変わらずのご指導・ご協力をお願い申し上げます。

NEWS・BEST10

1.日本モンゴル草相撲交流10周年記念イベントを開催

2003年10月25日、26日の両日、モンゴル・ブフ・クラブとモンゴル倶楽部共催で「日本モンゴル草相撲交流10周年記念」イベントを開催しました。同25日(土)には10周年記念パーティー(会場:国立オリンピック記念青少年センター)を開催し、関係者および交流のある団体や個人をお招きして、十年間を写真で振り返ったほか、モンゴル民族音楽のミニコンサートを楽しみました。翌日は代々木公園で「秋場所」を開き、32名のトーナメントを行いました。決勝戦は、内モンゴルで強豪と言われているホスバヤルとハスバットの間で行われ、ホスバヤルが秋場所初制覇となりました。大会には、新潟産業大学モンゴル相撲部の皆様をはじめ、関西、東北などから大勢の力士が集まり、レベルの高い大会となりました。柔道家外村一麿が日本人で二人目のベスト4進出を果たしました。今大会の模様が『Yomiuri Weekly』(2003.12.14号)に「熱闘譜 モンゴル相撲の日本王者は、代々木公園の原っぱの上で決まる」(pp64-65)というタイトルで紹介されました。

 ■大会の模様は⇒こちら


2.初のちょんまげの力士がブフ大会出場

2004年10月17日、恒例の秋場所こと第11回代々木ブフ大会(32名)が行われ、予想どおり強豪ホスバヤルが連覇を果たしました。都合により、新潟産業大学モンゴル相撲部が参加されなかったのですが、秋場所の史上初となる「ちょんまげ力士」が出場し、準優勝に輝きました。内モンゴル出身の初の大相撲力士である苍国来(本名・エンヘトゥブシン、20歳、現在幕下40枚目)です。今年7月に総合格闘技のプロデビューを果たしたホスバヤルと現役お相撲さんとのプロ同士の決勝戦は見応えがありました。苍国来の全取組みが荒汐部屋の公式ホームページで公表されています(http://www.arashio.net/)。さらに同大会の記事が取材に来られた、モンゴル国『五輪新聞』の記者ソガルエルデニ氏によって、モンゴル人の世界的ネットワークである「ツァヘム・ウルトゥー」(イギリス在住のモンゴル人が主宰)にメインニュースとして報道されたほか、モンゴル国のスポーツ紙面でも紹介されています。

今年の秋場所には新しい顔が随分と目立ち、世代交代を実感させられました。

 ■大会の模様は⇒こちら


3.ハワリン・バヤルで横綱朝青龍と進行役を務める

 2004年5月1日、2日、練馬区光丘公園でモンゴル国留学生会主催のハワリンバヤル(春祭り)が開かれました。初日のオープニング・セレモニーで駐日モンゴル大使館大使バトジャルガル閣下と横綱朝青龍がご挨拶をされました。その後横綱は旭天鵬関とカラオケでデュエットを披露し、会場を一気に盛り上げてくれました。午後、ボルドーの解説でハルハ.ブフの実技披露が行われ、ハルハ・ブフの基本わざを紹介しました。
 二日目にも、バトジャルガル大使、横綱朝青龍、旭天鵬、朝赤龍のほか、安馬関、時天空関らも参加されました。不肖ボルドーはブフの解説を担当しましたが、横綱と朝赤龍関が取り組編成を行い、安馬関と時天空関が審判兼イデー(乳製品や菓子類)の振舞い役、そして旭天山と武蔵龍がザソール(行司)を務めると言うこれ以上ない贅沢な大会でした。大会は24名によるハルハ・ブフのトーナメントで行われ、最後にホスバヤルが優勝し、モンゴル国のバトエルデニが準優勝、高砂部屋の朝花田が三位となりました。

 ■ハワリン・バヤルのレポートは⇒こちら


4.ブフの技が『格闘技・技の大辞典』に収録される。

 2004年9月4日、ベースボール・マガジン社の取材依頼を受けて、ボルドーと石原が横浜市戸部公園でウジュムチン・ブフとハルハ・ブフの技を実演し、その写真が同社刊行の『格闘技・技の大辞典』(世界60億人必携、スポーツと言うより芸術の本です―同本表紙より)に掲載されました。同本には、K-1&PRIDEのほか、柔道、サンボ、カポエイラなど各種格闘技の技が「少なくとも300以上は載ってます」(同本表紙より)。

 格闘技ブームの中で、ブフクラブは確実に実績を上げてきています。 

 ■ベースボールマガジン社『格闘技・技の大辞典』のページは⇒こちら


5.ホスバヤルが総合格闘技をプロデビュー

 2004年7月3日、ホスバヤル(26歳、シリンゴル出身185cm、95kg)はディファー有明で行われた格闘技イベントDEEPで内モンゴル人初のプロ格闘家としてデビューし、記念すべき初戦を見事な勝利で飾りました。彼は、内モンゴルで512名のブフ大会で優勝3回、64名以上の大会では80回ほど優勝した強豪であり、かつ中国100kg級柔道の王者でもあります。今年3月からプライドチャレンジーのアマチュア試合に参戦し、二戦二勝しました。その圧倒的強さがプライドおよびDEEPの関係者の目に留まり、プロデビューが決まったわけです。

 ホスバヤルの二戦目は12月18日にディファー有明で行われます。応援しましょう。

 ■ホスバヤルの試合の模様⇒ デビュー戦  第2戦


6.ボルドーがインターネットTVに生出演

  2004年7月21日、ボルドーがインターネットTV放送局(あっ!とおどろく放送局、http://tandm.tv)「辻トオルの東京外国人」(毎週水曜日21:00〜)に生出演しました。
 この番組は、東京に住んでいる外国人の方々をゲストにお招きして、さまざまなお話を伺い、ゲストの方の母国の理解を深めようというトーク番組です。また日本、東京について語ることで、国際交流の一助になればという目的で、インターネットを通じて、視聴者もメールで参加するトーク番組を生放送しています。
  司会は辻トオルさん(テリー伊藤・織田哲郎氏のブレーン)はさわやかでかっこよかたですね。とても親近感のある方で、番組中にモンゴル式の腕相撲をやりました。トオルさんのアシスタントは神尾メイ・マースさん(モデル)というかわいい女の子でした。

  また11月15日、12月27日、二回にわたり、上記インターネットTVの人気コーナー「世界最弱道はやと丸場」に出演し、ブフについて解説した。15日は大学の講義が重なったため、秋場所の解説を録画で放送してもらい、27日は事前にホスバヤルと実演したブフの技のVTRを見ながら、生出演で解説した。
 なお、同道場は毎週月曜23時から40分の放送となっており、さまざまなスポーツが紹介されているので、ぜひご覧になってください。http://tandm.tv/top.html


7.ブフクラブのエース・トクトホ君が骨折

2003年10月26日、「日本モンゴル草相撲交流10周年記念」でブフクラブのエースであるトクトホ君が二回戦で相手の外掛けに後ろへ倒れた際に右足を捻って骨折しました。

全治3ヶ月の大怪我でした。ご本人の意思で、伝統的整骨術で知られているガンジガ鎮(内モンゴル・通遼市)に行き、治療を受けることになりました。同治療法は秘伝の整骨術によってシャマニズム的な治療を行う、世界でも珍しい整骨術です。モンゴル倶楽部とブフクラブの有志がトクトホ君のために募金し、暖かく見守ることになりました。不思議なことに、成田空港から車椅子で飛行機にやっと搭乗したトクトホ君は、その一ヵ月後に杖も使わずに元気な姿を現したのです。そして今年の秋場所にブフ大会にまで参加したのです。

 トクトホ君のためにお金を寄付された皆様に心よりお礼を申し上げます。


8.ブフクラブ新年会に関取らが参加!

 2004年2月中旬、両クラブが池袋で新しくできたモンゴル料理ノタガで「時天空関十両昇進祝賀&新年会」を開きました。両クラブの会合に関取が参加されるのは初めてとあって、両クラブからは25名以上のメンバーが参加し、時天空関をはじめとする苍蒼国来と保志桜の若いお相撲さんたちを囲んで楽しい一時を過ごすことができました。最後に、間近な春場所に向けてお相撲さんたちのご健闘を讃えて、新年会をお開きとしました。

 2004年は両クラブにとって、お相撲さんとの交流が盛んに行われた一年でもあります。

 ■新年会の模様は⇒こちら


9.忘年会でホルホグ焼きに成功!

2003年12月20日、モンゴル倶楽部・ブフクラブ合同忘年会がモンゴル倶楽部の新築の豪邸で行われました。ここでかねてから作る企画を立てながらなかなか実現できなかった、伝統のモンゴル料理ホルホグ(羊肉の石焼)焼きを作り、見事に成功しました。ほんとうに美味しかったです。こうしたブフ以外の楽しい交流も両クラブが仲良く協力し合っている絆ではないかと思います。来年もぜひホルホグ焼きをやってみたいですね。


10.ボルドーがクビライ・ハーン役を演じる?!

 2004年11月4日、那須高原の某牧場でNHKジュニアスペシャル「文明への道 第5集 クビライの夢」(仮題、2005年2月27日放送予定)のロケーションが行われました。出演者は、島崎和歌子さんや関口健さん(NHKアナウンサー)、そしてやったべぇ(谷田部雅嗣解説員)のほか、子どもタレントが二人いました。不肖ボルドーもみんなに混じって、かのモンゴル帝国大ハーンのクビライに扮しています。広い牧場に鎧をつけて馬に乗って登場したり、緊急記者会見を開いたりするまではいいのですが、ゲルにお客さんを案内したり、ゲルを立てたり、通訳したりと、気がつけば普通のボルドーに戻っていました(笑)。また同番組のブフと相撲を比べてみるコーナーのロケが28日に代々木公園で収録されました。子供向けの番組ですが、乞うご期待!

 ■ロケの模様は⇒こちら


2004年7月28日から8月1日にかけて、内モンゴル・シリンゴル盟・西ウジュムチン旗で、ギネス記録を作るための、史上最大規模の2048名の大会は開催されました。優勝力士は同旗のM.ソイラで、金のジャンガーを取得し、準優勝は同じくオヨンバトで銀のジャンガーを獲得しました。

編集後記
 クラブの活動はかなり活発になってきましたが、稽古回数が少なすぎたことが最大の反省です。来年は3月から毎月一回は必ずやりましょう。
 それから会費の納入をぜひお願いします。皆様、二年間大変お疲れ様でした。今年もよろしくお願いします。

■印刷用PDFファイルはこちら⇒ブフクラブ通信6

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